誰も傷つかないSNSアプリ「DYSTOPIA」に関する一問一答

DYSTOPIAとはどのようなアプリか。

DYSTOPIAは「誰も傷つかないSNS」です。
このSNS内での投稿は全てChatGPTを用いたAIによる検閲が入ります。
その結果、不適切だと判断された投稿は、AIにより勝手に適切な文章へと変換され投稿されます。
それにより、タイムラインには適切な投稿のみが表示され、
SNS上で頻発する「誹謗中傷」の直接的な被害者のみならず、加害者や、誹謗中傷コメントを見て不快になる方が居なくなるような仕組みになっています。

DYSTOPIAを開発するにあたって参考にしたもの、気をつけたこと

DYSTOPIAの根幹である「不適切な発言を適切な発言に変換するSNS」というアイデアを思いついた時に、
「これってディストピア的世界だな」と素直に思いました。
それでどうせ作るならちゃんと世界観を構築しようと思いまして、世のディストピア作品を調べた際に
ジョージ・オーウェル著の「1984年」に出会いました。
調べれば調べるほど、僕が想像していたのはこういう世界だという認識が深まり、
例えば、検閲された際に表示される謎の男には「BIG BROTHER」と名付けるなど、
全面的にオマージュしました。

また、開発の際に気をつけたこととしては、ChatGPT周りが大きいですね。
全ての発言が変換されるのではなく、不適切だと判断したもののみ変換できるように、
ChatGPTに文章の適切度を判断してもらうプロンプトを組んだり、
そもそもどのような表現になれば「誰も傷つかない」が実現できるのかに関しては、
可能な限りプロンプトをブラッシュアップしました。

DYSTOPIAの開発に至った経緯

ChatGPT流行の初期に私も色々と触ってみていて、その段階から
チャットボット的な使い方でなく、文章を変換させることができる使い方に着目していました。

僕が手がけたサービスで、収益化できる相談募集サービス「相談箱」というものがあり、
インフルエンサー向けの質問募集サービスなのですが、
その追加開発の中で、インフルエンサーの元に届く誹謗中傷的なコメントをどうすれば対策できるか、ということを考えており、
誹謗中傷をマイルドに言い換える」という部分の着想に至りました。

相談箱ではリソースの問題もあり実装には至らなかったのですが、
共同開発者であるアプリエンジニアの藤原さんがSNSアプリをよく作っていたこともあり、
「誹謗中傷をマイルドに言い換える」×「SNSアプリ」の構想が生まれました。

大森翔吾という人間

DYSTOPIAの運営会社、株式会社相談箱の代表をしております、大森翔吾と申します。
1996年2月19日の愛媛県出身です。

情報系の大学を卒業したのち、同大学院に進学しました。
ですが、大学時代から続けていた俳優活動も含めて自分自身の生き方を迷い休学。
どこでもいつでも働けるように、WEBエンジニアリングやデザインを学びました。
その後フリーで働ける兆しが見えたので大学院を退学。1,2年ほどフリーランスとして働いておりました。
その中で、ひろゆきさんがYoutubeLiveで行っている、視聴者からの相談に応えるコンテンツを見て、
もっと色々な人がこれをやれるようになったら面白いのでは、と思い収益化できる相談募集WEBサービス「相談箱」の開発を始めました。
その後、株式会社相談箱の設立、相談箱リリースなどを経て、DYSTOPIAの着想に至り開発を始めました。
「技術者」と「表現者」という一見かけ離れた属性の稀有さを活かして、
人と人の繋がりをお手伝いできるようなサービス開発を心がけております。
今でも俳優活動は続けており、ビジネスと俳優の二足の草鞋を本気で目指しています。

使ってほしいターゲット層

SNS疲れを経験した人にこそ使ってほしいです。
DYSTOPIAには、刺激と安らぎが共存するSNSだと思っておりますので、
他のSNSとはまた一風変わった世界の中でコミュニケーションをとってもらえればと思います。

アイディアが浮かんでもそれを実行にすることが難しいと思いますがなぜ実行に移していけるのですか?

昔までは僕も実行できない人だったのですが、
ひとつ前に作ったWEBサービス「相談箱」がきっかけでハードル低く何かを実行できるようになりました。

昔から何かを思いついてメモ帳に書き留める、ということはやっていたのですが、
実際にそれを「作る」まで至ったことがなくある種のコンプレックスでもありました。
ただ、「相談箱」のサービスを思いついた時、「これを頑張って完成させれば、次何かを思いついた時に実行するハードルが下がるのではないか」
という思いが強くなり、ネガティブな気持ちはもちろんありつつも、その日に企画書を作って共同で開発してくれそうな知人を当たりました。

きっと実行に移せない方は、どこかで「どうせ成功しないし」を考えているのかなと思います。
それでも僕が提言するのは、「それを実行した」という経験自体が自分にとってかけがえのない価値があり、
むしろ成功するか否かは問題ではない、ということです。

開発チームで揉めたことは? またはどうやってモチベーションの維持をされたのですか?

開発開始からリリースまで、共同開発をした藤原さんとは実は一度も対面で会っていません
それでもモチベーションを保てたのは一意にこのディストピアが面白そうだったに尽きると思います。

藤原さんはアプリエンジニア兼ChatGPTの専門家として企業の業務改善も行っています。
僕はWEBサービスの開発経験はあるのですがアプリは専門外でした。
ですので、藤原さんは技術力を、僕はコンセプトやデザイン、マーケティングとお互いに足りない部分を持ち寄ることで
円滑に進められたので、揉めたことは一度もありませんでした

藤原さんとは大学時代のジャグリングサークルの先輩で、在学中によく演劇のエチュードのようなことをやって遊んでいました。
その頃から「面白い」ということへの興味がお互いにあり、さらにその感性も似ていたため、
ディストピアの仕様やコンセプトに関して意見が大きく割れることはありませんでした。

このDYSTOPIAには「傷つかない」・「平和」を謳っていますが若干皮肉というか遊び心がありますよね?

そうですね。
そもそも「誰も傷つかない」って可能なの
それは良いことなの?というところから懐疑的に考えています。

昔の時代は表現の抑圧や規制が凄くて、主に国などの大きな組織にとって都合の良いように情報が操作されていたこともあります。
ある意味ではそれは「平和」なのかもしれませんが、僕はやはり、それってどうなの?という気持ちになります。
一方、「個人の自由」はどうしても誰かの「平和」を損なう可能性があります。

そういった葛藤の中で今の社会が形成されていると思うのですが、
ディストピアではあえて運営自体が極端に舵を切り、皮肉をこめて「これが平和だ!」と言い切ることによって、
その中にいる人たちの「平和」は守れるのではないか
と考えています。

「DYSTOPIA構文が流行りそう」という声も上がっていますがいかがですか?

まずは僕が考えた「私の心中は今お祭り騒ぎですな🏮」ですかね笑
これは、只事じゃない気持ちちゃんと伝えつつ、相手が傷つかないようにユーモアを含めるように考えた文章で、
我ながらよくできていると思います。
ディストピアのタイムラインを見ていると、ディストピア内の投稿は「ディスる」と呼ぼうという声も上がっていたり、
SNSにはそれぞれの色が出ますし、このようにミームがたくさん生まれるのは嬉しいことですね。

これは欲がありすぎかもしれませんが、ディストピア内で変換された言葉を参考に、
現実世界の日々のコミュニケーションでも、誰かに自分の気持ちを伝える際に、
「ひとつユーモアを挟みソフトにする」という工程をみんなが行うようになると、
社会全体の幸せの総量が上がって、嬉しいなと思います。

社会実験的な意味も含むとありましたが具体的にどういうことを示唆していきたいですか?

まずは、誹謗中傷など「誰かが傷つく」ことは良くないよね、ということ。
その次に、ユーモアは人と人のコミュニケーションに大事だよね、ということ。
そして、表現の規制は本当に誰かを助けるのかな、ということを示唆していきたいです。
それらの「手段」としてAIがあると思ってます。

現状のディストピア周りの言論を見る限りですが、きちんと意図は伝わっているように感じます。

AIは本当に公平だと思いますか?

いえ、どうしてもその「AI」をチューニングする際に人間が関わってくるので、
大なり小なりその方の思想が反映されるものだと思います。
ただ、チューニングする方法を例えば民主的にするですとか、真に公平な人間(が存在するかはわかりませんが)にチューニングしていただくことにより
「公平」により近づくとは思います。

また今後AIは我々の生活にどう影響してくると思いますか?

AIと聞いて「怖い」と感じる方は少なくないと思います。
ディストピアSF小説なんかはまさにそれですね。
ただ、イメージしているような「AIに踊らされる人」にならないように、
僕らが常日頃からAIに慣れ親しんで、いつか来るかもしれないその日に向けて抗体をつけておくことで、そのような未来は回避できると信じています。
結局AIにもそれを管理する「人」が存在するので、
道具としての使い道を誤らないように、全体のリテラシーを底上げしていく必要があると思います。

今後の野望はありますか?

DYSTOPIAの今のタイムラインはなかなかにカオスな状態なのですが、
将来的には、AI検閲がもっと自然に、人々のSNS生活にそっと寄り添うような形で、
真に「誰も傷つかないSNS」を目指していきたいです。
そのためには、より人々の心を理解し、
規律もしくは機能的に「誰も傷つかない」を目指したいと思います。

DYSTOPIAのご支援

DYSTOPIA では継続的なサービス継続のための支援をFANBOXで募っております。
https://dystopia.fanbox.cc/

DYSTOPIA運営

大森翔吾
株式会社相談箱代表・俳優
Xアカウント:https://twitter.com/dai_mori219

藤原
アプリエンジニア
ChatGPT専門家として企業の業務改善や講習会を行う。

相談箱について

株式会社相談箱は、「相談箱」というWEBサービスを開発・運営しております。相談箱は「収益化できる質問募集サービス」です。以前まではTwitterフォロワー10000人以上のユーザーのみに使用を限定していましたが、現在は誰でも使えるオープンなサービスへと生まれ変わりました。

弊サービスは、投げ銭で投稿を目立たせる「スーパーレター」、回答に対するお礼としての投げ銭「THANKS」により、インフルエンサー、文化人、歌手、俳優など様々な方が、ファンの皆様とのコミュニケーションの中で収益を生むことができます。現在、月間PV最大46万のWEBサービス「相談箱」では、サイト上に広告を出向したい企業様を募集しております。

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